その頃の
歯科技工士の勤め先は、歯科診療所が普通で、
歯科技工士が独立して経営する歯科技工所という存在は、全国でも数十軒しかない極めて珍しいものでした。
歯科技工所は歯科技工法が出来てから急激に増えたのです。
ご承知のように、当時の我が国は猛烈な高度成長をしている最中で、
保険制度の導入も追い討ちがかかり歯科需要もウナギ登りとなりました。
そうなると、
歯医者さんは否応なしに診療だけに忙殺されるようになったのです。
入れ歯などの技工の仕事は
歯科技工士に任せ、たいていの
歯医者さんは診療だけに専念するようになりました。
歯医者さんはようやく技術者というよりも、お医者さんという意識に芽生えたのです。
保険制度が導入される前の
歯医者さんの主な仕事は歯科技工であり、お医者さんというよりも、どちらかというと技術者的な要素が強い仕事だったのです。